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 謎の討議会(2)



前回の記事をご覧の皆さん、ご自身なりの答は出ましたか?
「交互通行とはどうやるものか」を会社がどう教えているか、警備員自身がどう捉えているかで答は変わってくるわけですが、しかし交互通行の基本にそう多くのバリエーションは存在しないはずで、大体が私の示す答に近くなると思います。

【うちの会社の答】
私の教える交互通行からすると、答は次のようになります。数字は大まかな過失割合(%)です。
(1)Bが勝手にポジションを離れた場合
A50 B50 C0
(2)Bが「ポジションを離れたい」と事前に告げA,Cが了解した場合
A100 B0 C0

多くの人が「ポジションを離れたB」の責任を最初に感じたかも知れません。でもAの責任がかなり問われる事故です。

ちょうどいいので交互通行の形をおさらいしましょうか。
イ. 基本形
自分のクルマを流すのは自分が決めず、他の全員がOKしたら流す。
これが基本形ですよね。私は最初のうち、この点だけをとにかく煩く言います。片側交互通行とは「自分のクルマの発進を他者が決めるものだ」と。
ロ. お奉行形
予め決めたお奉行様が「誰が止め誰が流すか」を全部指示する。
イでは「勝手に流すな」と述べましたが、実は誰か1人が勝手な判断をしても車両お見合いなどの問題は起こらないのが交互通行です(これだけを言うと語弊もありますが)。他者全員が毎度クルマを止め指示を待つという前提で。
お奉行様は先に決めておかないといけません。考えれば当たり前なので説明は省きます。
交差点が絡み複数の交互通行が生じているなど複雑な場合に、お奉行形が強いです。
この発展形で「フリーパス」という方法も私は教えますが、またの機会に。



さて討議内容に戻ります。
ケース(1)ではAが勝手にクルマを流した形ですよね。Bがいないから確認を取れなかったなどというのは正当化する理由になりません。これを言ったらプロ失格
Aは例えば先頭車両に「合図するまで動かないで下さい」とお願いをして、自ら走ってBの路地を押さえに行って遠くから身振りや笛で合図してもいいわけです。
ただ、この場合Bも勝手にポジションを離れたわけで、路地から出たクルマはBが勝手に流したのと同じ扱いが出来ます。なのでAもBもやっていることに変わりはなし。
ケース(2)ではAだけが勝手に流してしまっています。BはAの了解を得ているわけですから、これはもうAがBの分も責任を持つしかない。

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最後に例の部長の見解を。
「これは実際の事故事例ではなく私が作った事例ですが、明確な答などないと思います。自分で考えるという事を皆さんにして貰いたくて作りました。」
もうほんと私は失神寸前。この極めてシンプルな交互通行お見合い事例で、教える側が「答などない」と言い切ってしまうのでした(^^;
我が社は交互通行を教えませんと豪語しているようなもので。

というわけで、交互通行の形のおさらいに適しているので今回取り上げ。



(過去のブログより転載)


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